放牧で子牛を育てる畜産業の、加工場の計画――規模を絞って採択、それでも採択のあとに中止した事例から - 株式会社Higurashi&Company
放牧の畜産業の加工場の計画と、採択のあとに要るもの

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放牧で子牛を育てる畜産業の、加工場の計画――規模を絞って採択、それでも採択のあとに中止した事例から

結論:規模を絞って採択に至った計画。それでも、採択のあとに事業は中止になりました

放牧で運動量を確保し、赤身を重視した子牛の生産・販売を営む畜産業の事例です。農薬や化学肥料を使わない自家製の国産牧草を飼料にしています。

和牛への需要の増大と、飼料・燃料の高騰という環境の変化に対応するため、牧草地で繁殖・肥育した黒毛和牛の健康で安全な赤身肉を、健康志向のお客様を持つ飲食店に、競争力のある価格で届ける。そのための肉牛の加工場を構築する計画に、事業再構築補助金767万円で採択されました。

当初は設備投資の金額が大きい計画でした。当社は、事業を確実に進めるために適切な規模で進めることを提案し、絞った計画で採択に至っています。

ただし、この事例は採択のあと、補助事業を中止しています。採択は入口で、交付申請・発注・工事・実績報告を経て入金されるまでには、資金と人手が続く必要があります。この記事は、投資の規模の決め方と、採択のあとに何が要るかを、この事例から振り返るものです。

※補助金額は当社サイトの公開値です。社名は出していません。事業再構築補助金は前の制度で、いまは新事業進出・ものづくり補助金(新事業進出枠)が後継です。

放牧されている黒毛和牛

投資の中身と補助金

項目内容
制度事業再構築補助金(前の制度。いまは新事業進出・ものづくり補助金が後継)
補助金額767万円(採択時)
結果採択。その後、補助事業は中止
投資の内容肉牛の加工場の構築
本業放牧による子牛の生産・販売(赤身重視、自家製の国産牧草を飼料に)
新事業牧草地で繁殖・肥育した黒毛和牛の赤身肉を、飲食店に直接届ける
従業員数0名

※スマホでは表を横にスクロールできます

同社からは「報酬が減るにもかかわらず、現実的な提案をしてもらい感謝している」という趣旨のお言葉をいただいています。

なぜ、計画の規模を絞ったのか

補助金額は、投資の金額に補助率を掛けて決まります。投資が大きいほど補助金も大きくなるため、計画はつい大きくなりがちです。

しかし、補助金は後払いです。発注から入金までの間、投資の全額を自己資金と借入で払う必要があります。従業員のいない事業で、本業の牛の世話をしながら、大きな加工場の建設と立ち上げを同時に進められるか。ここが分かれ目でした。

規模を絞ると、資金の手当てが現実的になり、立ち上げの負担も減ります。審査の面でも、「この会社がこの規模なら確実にやり切れる」と読める計画のほうが、評価は安定します。

当社の報酬のうち採択時・入金時の報酬は補助金額をもとに決まるため、規模を絞る提案は当社の報酬を減らします。それでも、事業が確実に進むことを優先しました。補助金は採択がゴールではなく、事業を立ち上げて、5年間の報告まで続けることがゴールだからです。

それでも、この事例は採択のあと中止になりました。規模を絞っても、後払いの資金と、本業を回しながら立ち上げる人手が続かなければ、事業は進められません。採択のあとに止まらないために申請前に決めておくことは、採択されたのに進められなかった会社から――入金の時期・自己資金・実行する人を、申請前に決めるにまとめています。

畜産・食品の加工場で気をつけたいこと

1. 加工場は「新事業の必要性」で説明する。生産から加工・販売へ広げる計画では、加工場が「飲食店に直接届ける」という新しい販売の形に不可欠であることを書きます。

2. 衛生の許可と施設の基準を先に確かめる。食肉の加工には、施設の基準と許可が要ります。設計の前に保健所などへ確認しておくと、補助事業の期間内に完了しやすくなります。

3. 売上は、頭数と歩留まりと単価から。年間に出荷できる頭数、1頭から取れる肉の量、飲食店への販売単価の積み上げで、根拠のある売上計画になります。

4. いまの制度では、従業員0名は対象外。この事例は前の制度(事業再構築補助金)でのものです。いまの新事業進出・ものづくり補助金は、応募申請の時点で従業員数が0名の事業者を対象外としています(公募要領「補助対象外事業者」18)。従業員のいない事業者は、別の制度を含めて最初に確かめます。

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いまの制度で同じ投資をするなら

事業再構築補助金は終了し、いまは新事業進出・ものづくり補助金の「新事業進出枠」が、既存の事業とは違う市場に出る投資の受け皿です。

新事業進出枠の補助上限は従業員数で決まり、1〜20人で2,500万円、21〜50人で4,000万円、51〜100人で5,500万円、101人以上で7,000万円(賃上げの特例で引き上げあり)。補助率は1/2で、補助下限は750万円です。機械装置・システム構築費か建物費のどちらかが必ず対象経費に入っている必要があり、ほかに外注費、広告宣伝・販売促進費などが対象経費に入ります。

条件の芯は2つ。新たに作る製品・サービスが自社にとって新しいことと、いまのお客様とは違う市場に出ることです。この事例のように、本業で培った力を別の市場で使う組み立て方は、いまの制度でも同じように見られます。

補助金は後払いで、発注は交付決定のあとです。付加価値額を年平均4.0%以上、1人当たり給与支給総額を年平均3.5%以上伸ばす計画など、基本要件もあります。最新の要件は新事業進出・ものづくり補助金の制度ページと建物を伴う新事業の補助金にまとめています。

この事例と、いまの制度の違い

この事例は前の制度(事業再構築補助金)でのもので、従業員0名でも申請できました。いまの新事業進出・ものづくり補助金は、応募申請の時点で従業員数が0名の事業者を対象外としています。また、新事業進出枠の補助下限は750万円です。

従業員のいない事業者で設備投資を考えている場合は、小規模事業者持続化補助金など別の制度を含めて、最初の無料相談で使える制度を確かめます。

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「大きな投資を考えているが、本当にやり切れるか不安」という段階でご相談いただけます。資金の手当てと立ち上げの体制から、確実に進められる規模を一緒に考えます。

→ 建物を伴う新事業の考え方は建物を伴う新事業の補助金

→ 制度の概要は新事業進出・ものづくり補助金の制度ページ、公募の日程は補助金の締切一覧

→ 料金は補助金申請サポートの料金

→ 御社の投資が対象になるか・いくらまで・いつ始められるかを、30分の無料相談でお答えいたします。

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当社は中小企業庁認定の経営革新等支援機関・M&A支援機関です。

事業計画づくりから電子申請の伴走、採択後の交付申請・実績報告まで、当社代表取締役の日暮健一(中小企業診断士)がご一緒します。

補助事業のあと5年間続く報告(新事業進出・ものづくり補助金は事業化状況報告、省力化投資補助金は効果報告)は、事業者様からご提出いただく報告です。ご提出のときは、いつでもご相談ください(書類の作成などの作業をお手伝いする場合は別途料金となります)。

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