2023年度版「中小企業白書」から見えてくる、今後の成長を考える中小企業が取り組むべきこと - 株式会社Higurashi&Company

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2023年度版「中小企業白書」から見えてくる、今後の成長を考える中小企業が取り組むべきこと

2023年版中小企業白書・小規模企業白書が令和5年4月28日に追加されました。

中小企業庁:中小企業白書
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/index.html

この2023年度版「中小企業白書」を読み解くことで見えてくる、今後の成長を考える中小企業が何を取り組んでいけばよいのかのヒントをまとめてみます。

中小企業の現状と課題

新型コロナウイルスからの脱却が急速に進み、中小企業は業種による違いはあるものの全体としては売上高や経常利益なども回復の兆しを見せています。しかし、業績が回復した企業が採用を進めると新たな問題、すなわち人手不足が浮き彫りになっています。

この人手不足は、業績が回復した多くの中小企業が直面する普遍的な課題となっており、その対策が急務となっています。さらに、新たな担い手づくりという課題もあります。企業の持続的な成長と発展のためには、新たな人材、新たなリーダーを育て、組織のリニューアルを図ることが不可欠です。

人手不足対応のポイント

人手不足への対応は、正社員やパートタイマーなどの人材採用に限りません。プロセスの見直しによる業務効率化や、社員の能力開発、ITなどの設備投資によって、生産性向上に取り組む動きが見られます。

1.人手不足のカギは、生産性向上

2023年度版中小企業白書によれば、中小企業が行っている人手不足への対応方法は、正社員の採用が83.8%、パートタイムなど有期雇用社員の採用が48.1%となっています。それだけではなく、業務プロセスの見直しによる業務効率化(38.7%)、社員の能力開発による生産性向上(32.4%)、IT化等設備投資による生産性向上(29.8%)も積極的に行われています。

人手不足への対応は、正社員やパートタイマーなどの採用だけにとどまりません。業務プロセスの見直しや社員の能力開発、ITやその他の設備投資による生産性向上も重要な対策となります。

2.職場環境の改善で魅力の向上を実現する

中小企業白書によると、中小企業が行っている人材確保のための方策としては、給与水準の引き上げ(63.6%)、長時間労働の是正(46.7%)、再雇用などシニア人材の活用(34.5%)、福利厚生の拡充(31.3%)、賞与の引き上げ(26.0%)、育児・介護等と両立できる制度の整備(25.8%)、外国人従業員の雇用(18.9%)、研修など能力育成制度の整備(15.0%)、テレワークの導入(12.0%)、副業の解禁(6.3%)などが挙げられます。

人手不足対策として職場環境の改善も必要です。中小企業が取り組んでいる方法としては、給与水準の引き上げ、長時間労働の是正、育児・介護との両立が可能な制度の整備、福利厚生の拡充などがあります。これらは全て、職場の魅力を高め、より多くの人材を惹きつけるための施策です。

他社と差異化するための新たな担い手づくり

他社と差異化するための新たな担い手づくりのポイントとしては、企業の成長意欲を喚起する、リスキリングに取り組むことがポイントです。

1.企業の成長意欲を喚起するには?

2023年度版中小企業白書によると、経営者が成長意欲を高めるための交流先は以下の通りとなっています。同業種の経営者仲間が63.8%、異業種の経営者仲間が57.9%と、過半数以上の経営者がこれらの交流を成長意欲を高めるきっかけとしています。また、支援機関や専門家の支援が24.7%、債権者や金融機関の働きかけが18.8%、株主や投資家の働きかけが5.6%と続きます。

企業の成長意欲を喚起するための鍵となるのは、「経営者との積極的な交流」です。その中でも同業種や他業種の経営者との交流が重要な要素となっています。

2.リスキリングに取り組む

自社の成長を実現するための重要な要素の一つに、「リスキリング」つまり、新たなスキル獲得の取り組みがあります。経営者が自ら学習時間を意図的に確保する企業では、売上高の増加率が高い傾向が見られます。その理由は、経営者自身が学ぶ姿勢を見せることで、組織全体の学習意欲を刺激し、リスキリングを推進するきっかけを作れるからです。

中小企業白書によると、中小企業の経営者が行っているリスキリングの主な内容は、「書籍・セミナーによる知識の収集」(75.2%)と「社外での勉強会の参加」(57.4%)です。これに加えて、「新しいツールや設備の導入、プロジェクトを通じた学習と実践機会の確保」(35.2%)、「新しいスキルに関する資格取得」(27.2%)、そして「社内での勉強会の参加」(26.5%)なども重要な取り組みとなっています。

また、役員や社員に対してもリスキリングの機会作っている中小企業もあります。

具体的には、「書籍・セミナーによる知識の収集」(63.1%)、「社外の勉強会の参加」(58.1%)、そして「新しいスキルに関する資格取得」(54.7%)が多く実施されています。また、社内での勉強会への参加(45.9%)や「新しいツール・設備の導入やプロジェクトを通じた学習と実践機会の確保」(35.3%)も行われています。

これらの取り組みは、組織全体の知識を更新し、新たなスキルを身につけることで企業の成長に寄与します。また、経営者が自ら学習の姿勢を見せることは、組織全体の学習意欲を刺激し、組織文化としてリスキリングを根付かせる重要な一歩となります。結果として、これらの取り組みは組織全体の能力を高め、競争力を強化することにつながります。

事業承継による新たな担い手の創出

事業承継をきっかけに新たな担い手の創出を図っている中小企業もあります。事業承継後の事業承継で成果を出すこと、後継者に意思決定を任せることがポイントです。

1.事業承継後の事業再構築

事業承継は企業にとって、経営資源の散逸を防ぐだけでなく、世代交代を通じた新たな変革のチャンスでもあります。特に若い世代の経営者が就任した企業ほど、事業再構築への取り組みが活発であることが観察されます。事業再構築とは、新製品の開発や新サービスの提供、または既存の製品やサービスの製造・提供方法を大幅に改変することを指します。

年齢別の経営者による事業再構築の取り組み状況を見てみると、経営者が30代以下の企業では63.3%が事業再構築に取り組んでいます。一方、70代以上の経営者がいる企業では45.5%となっており、約20%の差が見られます。これは、若い経営者が新たな視点や戦略を持ち込み、より積極的に事業の再構築を進める傾向にあることを示しています。

2.後継者に意思決定を任せる

後継者に経営を任せ、新たな挑戦を促すことは、企業の持続的な成長に不可欠です。特に事業再構築の取り組みといった重要な課題を後継者に任せることで、新たな視点やアプローチを経営に導入することが可能となります。

さらに、従業員からの信認を確保することも大切な要素です。従業員から信認を得て事業再構築を行う企業は、売上高平均成長率が高い傾向にあります。

具体的なデータを見てみると、従業員から信認を得て事業再構築に取り組んでいる企業の成長率は30.3%と高い値を示しています。一方、信認を得ているものの事業再構築に取り組んでいない企業では、成長率は25.8%となっています。

逆に、従業員からの信認を得られていない企業では、事業再構築を進めていても成長率は21.1%にとどまります。信認を得ておらず、かつ事業再構築にも取り組んでいない企業の場合は、さらに低い17.9%となります。

事業の転機に活用できる補助金

事業の再構築を求められる時代ですが、補助金等の国の支援も充実しています。補助金としては「事業再構築補助金」「ものづくり補助金」など事業の再構築時や設備投資時に活用できるものがあります。

補助金の申請条件などを自分で調べるのは大変ですが、当社ではZoomやお電話での無料相談を行っています。

お電話やメール、LINEからお問い合わせいただければ対応できますので、お気軽にお問い合わせください。

 

 

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