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事業再構築補助金(2023年情報)
こちらは2023年の情報です。2024年度の情報が公開されました。詳しくは下記をご覧ください。
事業再構築補助金(2024年最新)
事業再構築補助金は、事業モデルの転換に取り組む中小企業に対して、転換にかかる費用を補助し、1社当たり100万~1億円が給付される補助金です。補助金は、建物費(新築は制限有)、建物改修費、設備費、システム購入費、外注費、研修費、技術導入費、広告宣伝費・販売促進費などに利用できます。(従業員の人件費、旅費は補助対象外)
事業再構築補助金は、事業計画を申請し審査を受ける必要があります。また、補助金が正しく使われたことを報告する必要があります。申請にあたっては、以下の要件を満たす必要があります。
1.事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けること
事業者自身で事業再構築指針に沿った事業計画を作成し、 認定経営革新等支援機関の確認を受けること 。
補助金額が 3 000 万円を超える案件は金融機関 銀行 、 信金 、 ファンド等 の確認も受けること 。 金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は 、 金融機関のみで構いません 。
2.付加価値額を向上させること
補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0~ 5.0 % (申請枠により異なる)以上増加 、 又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0~ 5.0 % (申請枠により異なる)以上増加させることが必要です 。
※付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したものをいう。
「認定支援機関」である当社のサポート実績
弊社の支援した「事業再構築補助金」の採択事例と、支給された補助金額の例です。
- 旅行業 1,499万円
- 建設設計事務所 2,049万円
- 出版業 5,450万円
- 輸入・卸売業 1,831万円
- 卸売業 2,900万円
- 広告代理店業 1,859万円
- 農業法人 2,461万円
- 農業法人 1,754万円
- 製造業 2,861万円
事業再構築の一例
事業再構築補助金の取り組み事例です。
飲食業
- オフィス勤務の方向けの弁当販売を行う事業者が、高齢者向けの食事宅配事業を開始
小売業
- 衣料品の店舗販売のみ行っていた事業者が、ネット販売を開始し、全国に商品販売
- 小売店舗による衣服販売業を営んでいたところ、コロナの影響で売上が減少したことを契機に店舗を縮小し、ネット販売事業やサブスクサービス事業に業態を転換
製造業
- 半導体製造装置の技術を応用した洋上風力設備の部品製造を新たに開始
- 製造業が自社技術を応用するために新しい生産機械を導入し、新しい分野の商品の製造にチャレンジ
- 自働車部品製造で培ったノウハウを活かし、新しく医療・航空分野へ参入
- ガソリン車の部品を製造業者が、コロナ危機を契機に従来のサプライチェーンが変化する可能性がある中、需要拡大が見込まれるEVや蓄電池に必要な特殊部品の製造に着手、生産に必要な専用設備を導入
飲食店・食料品製造
- 新型コロナウィルスの流行で売上が激減した飲食店が宅配サービスを開始する
- 宅配サービスを強化するために、セントラルキッチン事業へ参入
事業再構築補助金
事業再構築補助金(2023年)の変更ポイント
1. 成長枠の新設
成長枠の目的は、成長分野に向けた大胆な事業再構築に取り組む事業者を支援することです。成長枠の要件は以下の2項目です。
① 取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること
② 事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること
成長枠で申請するには、申請者の事業の市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属することが必要です。
対象となる業種・業態
対象となる業種・業態は、事務局で指定されます(指定リストは随時更新予定)。
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/seichowaku_list.pdf
また、指定された業種・業態以外であっても、応募時に要件を満たす業種・業態である旨データ等を提出し、認められた場合には、対象となり得ます。
なお、成長枠には売上高減少要件は含まれていません。
2. 産業構造転換枠の新設
産業構造転換枠の目的は、産業構造の変化によって事業再構築が強く求められる業種・業態の事業者を重点的に支援することです。
① 過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上縮小する業種・業態に属していること
業界団体が要件を満たすことについて示した場合、その業種・業態を指定業種として指定します(指定リストは随時更新予定)。
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/tenkanwaku_list.pdf
又は、コロナ後~今後の10年間で市場規模が10%以上縮小することについて、応募時に客観的な統計等で示していただき、事務局の審査で認められた場合にも対象となります。
② 地域における基幹大企業が撤退することにより、市町村内総生産の10%以上が失われると見込まれる地域に属しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の10%以上を占めること
要件を満たす地域であることについて、自治体が資料を作成し、証明する必要があります(指定リストは随時更新予定)。
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/tenkantiiki_list.pdf
「市場規模が10%以上縮小する業種・業態」や「地域における基幹大企業が撤退する」とあることから、厳しい環境下に置かれている事業者が対象になっていることがわかります。
3. 大幅賃上げと事業規模拡大にインセンティブを設定
成長枠とグリーン成長枠では、一定条件をクリアすると補助金の額を上乗せしたり、補助率を上げたりする措置がおこなわれます。補助金の上乗せといったインセンティブを設定することで、事業者に大幅賃上げや事業規模拡大を促す狙いがあります。
① 大規模賃金引上促進枠(補助金の上乗せ)
以下のふたつの要件を満たすと、補助金額3,000万円が上乗せされます。補助率は中小企業1/2、中堅企業1/3。
- 成長枠、またはグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年の間に、事業場内最低賃金を年額45円以上引き上げること
- 成長枠、またはグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年の間に、従業員数を年率平均1.5%以上増やすこと
② 補助率を引き上げる
以下のふたつの項目を達成した場合、成長枠、またはグリーン成長枠の補助率を中小企業は2/3、中堅企業は1/2に引き上げます。
- 給与支給総額を年平均6%以上増やすこと
- 事業場内最低賃金を年額45円以上引き上げること
また、成長枠、グリーン成長枠、サプライチェーン強靭化枠においては、加点措置が存在します。事業終了後3~5年で、給与支給総額年率平均3%~5%以上増加させた事業者を対象に、上げ幅に応じた加点をおこないます。
4. 業況がきびしい事業者への支援
第9回公募にあった回復・再生応援枠は、今回の第10回公募では名称が変わり、物価高騰対策・回復再生応援枠となっています。名称変更の背景には、コロナ禍や物価高騰などで依然として業況がきびしい事業者の存在があります。物価高騰対策・回復再生応援枠(第10回)の要件は以下のいずれかに該当することです。
① 2022年1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3カ月の合計売上高が、2019~2021年と比較して10%以上減少していること
② 中小企業活性化協議会などから支援を受け、再生計画等を策定していること
事業再構築補助金(2023年)について
1.申請の条件
事業計画を認定経営革新等支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組むこと
補助事業終了後3~5年で付加価値額を年率平均3.0~5.0%以上増加させること、または従業員1人当たり付加価値額を年率平均3.0~5.0%以上増加させること
*成長枠の付加価値額は年率平均4.0%以上増加
中小企業であること
中小企業・中堅企業の定義
業種 | 資本金 | 従業員数(常勤者) |
製造業、建設業、運輸業 | 3憶円以下 | 300人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円以下 | 100人以下 |
小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) | 3憶円以下 | 900人以下 |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3憶円以下 | 300人以下 |
旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
その他の業種(上記以外) | 3憶円以下 | 300人以下 |
※中堅企業は、中小企業にあてはまらず、資本金の額又は出資の総額が10億円未満の法人が対象となります。
新たな取り組みであること
事業再構築補助金は、新型コロナの影響が長引く中、ウィズコロナ・ポストコロナに対応する新たな取組を実現するための投資について補助を受けることができます。
申請に当たっては、新たな取組が下記のいずれかに合致する必要があります。
事業再構築の方法 | 概要 |
新分野展開 | 新サービスを提供することで、既存市場とは異なる新市場に参入する計画 |
業態展開 | サービスの提供方法を変更することで、既存市場に対して新たなサービスを提供する計画 |
事業転換 | 主となる(自社で売上高構成比が最も高い)業種を変更する計画(例:建設業から卸・小売業など) |
業種転換 | 主となる(自社で売上高構成比が最も高い)業種を変更する計画(屋根工事業から電気工事業など) |
事業再編 | 事業再編(合併など)を通して、上記のいずれかの取組を行う計画 |
2.各申請枠の全体像
類型 | 最低賃金枠 | 物価高騰対策・回復再生応援枠 | 産業構造転換枠 | 成長枠 | グリーン成長枠 | サプライチェーン強靭化枠 | |
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エントリー | スタンダード | ||||||
対象 | 最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な事業者 | 業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者、原油価格・物価高騰等の影響を受ける事業者 | 国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の事業者 | 成長分野への大胆な事業再構築に取り組む事業者 | 研究開発・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計 画」14 分野の課題の解決に資する取組を行う事業者 | 海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靭化及び地域産業の活性化に資する取り組みを行う事業者 | |
補助金額 | 最大1,500万円 | 最大3,000万円 | 最大7,000万円 | 最大7,000万円 | 最大8,000万円(中堅1憶円) | 1億円(中堅1.5億円) | 最大5憶円 |
補助率 | 3/4 | 2/3(一部3/4) | 2/3 | 1/2(大規模な賃上げ達成で2/3へ引き上げ) ※【補助率引上要件】事業終了時点で①給与支給額+6%以上、②事業場内最低賃金+45円 | 1/2 |
※青枠部分:業況が厳しい事業者向け
※赤枠部分:賃上げ等へのインセンティブを与える枠が準備されています。
①大規模賃金引上げ促進枠:上限を3,000万円上乗せ
②卒業促進枠(中小企業等からの卒業):上限を2倍に引き上げ