news
【2025年12月最新】令和7年度補正予算情報
各省による令和7年度の補正予算案がでました。中小企業の活用できる補助金などの制度に関わるものについてピックアップいたします。
経済産業省関係令和7年度補正予算案の概要(令和7年12月)
各省庁から「令和7年度補正予算案」の概要が出揃いました。 経済産業省だけでなく、国土交通省(観光庁)、厚生労働省、総務省からも、中小企業の経営課題に直結する重要な支援策が多数発表されています。
今回は、膨大な資料の中から「中小企業・小規模事業者が実際に使える制度」をピックアップして解説します。
![]()
政府より公開された令和7年度補正予算案の資料により、来年度の中小企業支援策の全貌が明らかになりました。
今回公開された資料(成長投資支援・生産性向上支援)を分析すると、国が描く「中小企業の二極化支援」という明確なメッセージが読み取れます。
本記事では、2025~2026年の補助金トレンドと経営者が注視すべきポイントを解説します。
1. 【成長投資支援】売上100億円を目指す企業へ「桁違い」の支援
資料上段の「成長投資支援」で最も衝撃的なのは、「100億企業(売上高100億円を超える中小企業)」という具体的なターゲットが明記されたことです。
■ 大規模成長投資支援に4,121億円
これまでの「中小企業=弱者」という視点ではなく、「地域経済を牽引する中堅企業」を育てることに主眼が置かれています。
予算規模: 総額4,121億円(うち新規2,000億円)。
100億宣言企業への優遇: 新規公募分のうち、約半分の1,000億円が「100億宣言企業(将来的に売上100億円を目指すと宣言する企業)」向けに確保されます。
狙い: 工場新設や大規模な設備投資を行い、飛躍的な成長と賃上げを実現すること。
これに伴い、「中小企業成長加速化補助金」も拡充されます。これまでは大企業向けと思われていた規模の投資に対し、中小企業でも挑戦できる環境が整いました。「うちはまだそこまでは…」と躊躇せず、長期的なスケールアップを目指す企業には大きなチャンスです。
2. 【生産性向上・省力化】キーワードは「AI導入」と「上限見直し」
資料下段の「生産性向上・省力化投資支援」は、従来のものづくり補助金やIT導入補助金などの枠組みですが、中身はアップデートされています。
■ 「AI導入」が正式に補助対象の顔に
従来の「デジタル化」に加え、「AI導入補助金」という文言が明記されました(3,400億円の内数)。
単なるペーパーレス化だけでなく、AIを活用した業務自動化や予測分析など、より高度なDXに取り組む企業が優遇される可能性が高いです。
■ 省力化投資は「使い勝手」が向上
「省力化投資支援(カタログ型などが想定されます)」において、以下の変更点が示唆されています。
従業員規模ごとの補助上限額の見直し:
これまでの制度では「投資額に対して補助額が合わない」といったケースがありましたが、従業員数に応じたより柔軟な(おそらくは上限引き上げ等の)見直しが行われる見込みです。
業種別プランの推進:
業種ごとの実態に合わせた省力化機器が対象となるよう、ラインナップの拡充が期待されます。
■ 米国関税影響への配慮も
細かい点ですが、「物価高や米国関税影響を踏まえたソフト支援」という記述があります。海外情勢の変化によるコスト増に苦しむ企業への相談体制や専門家派遣などが強化されると予想されます。
まとめ:2025年、経営者が選ぶべき道
今回の資料から、補助金活用の道は大きく2つに分かれました。
・「100億企業」を目指し、大規模投資支援を活用して一気にシェア拡大を狙う。
・AI導入や省力化投資を活用し、徹底的に生産性を高めて高収益体質(賃上げ原資の確保)を目指す。
「現状維持」のための補助金は減り、「変化・成長」するための支援が圧倒的に手厚くなっています。自社がどちらの山を登るのか、公募要領が出る前の今こそ、経営方針を固める時です。